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黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Chemical Physics Letters, 299(1), p.57 - 63, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:43.56(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)における異常な同位体効果について理論的に考察した。実験的には、固体パラ水素中でCHI(CDI)を光分解し、CH(CD)を生成させて5Kでしばらく放置すると、CHI/p-H系ではCHの生成は確認されなかったがCDI/p-H系ではCDHの生成が確認された。すなわち、反応Iは起こらないが反応IIは起こることが見出された。本理論計算では、この同位体効果を説明するために、反応I,IIの固有反応座標(IRC)を高精度の非経験的分子軌道法により求め、さらにIRCに直交する基準振動の振動数も計算し、反応途中でのゼロ点振動エネルギーの値も見積もった。その結果、従来の意味での同位体効果は予想通りほとんどないが、ゼロ点振動エネルギーを考慮したeffectiveなポテンシャルを比較すると、反応IIの方が反応Iより反応障壁が低く障壁の幅も小さいことが明らかとなった。このことは反応IIの方がトンネル確率が大きいことを意味しており、上の実験結果を良く説明している。